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今日は一日雨模様です。_c0185858_14055584.jpg

佐保姫の 絹の香りに誘われて
ふと見上げれば 花一輪











 2月初旬の3連休はとってもいい天気で、少し春を先取りしたような感じでしたが、下旬の3連休は雨→晴れ→雨という三寒四温もいいところ、最終日の今日は大阪マラソンなのになかなかのお天気具合ですが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

 皆さんは日本に四季をつかさどる女神がいるのをご存じでしょうか?私はつい先日そのことを知りました。しかも我がふるさと奈良県に。春は佐保姫(さほひめ)、夏は筒姫(つつひめ)、秋は竜田姫(たつたひめ)、冬は宇津田姫(うつたひめ)。その中で佐保姫と竜田姫はそれぞれ佐保山と竜田山に鎮座されています。佐保姫は織物が上手な女神、秋の竜田姫は裁縫や染物が上手な女神なので、古くから佐保山は桜の名所、竜田山は紅葉の名所と言われており、和歌にもよく謳われているようです。
 龍田大社が紅葉の名所なのは知っていましたし行ったこともありますが、佐保山は知りませんでした…。私の中で桜の名所=吉野でしたので、佐保山、いつか一度行ってみたいですね。

 先日、そろそろ寒さも和らいだので、ちょっと足を延ばして大阪城に行ってきました。大阪城には梅林があり、紅白様々な種類の梅が咲いています。時期的に少し早かったので満開とまではいきませんでしたが、蝋梅と一緒に梅もすこしずつ咲き出していました。
 桜、特にソメイヨシノは木の幹や枝を覆い隠すほど花をつけ、また散った際には地面も川面も埋め尽くすほど桜一色に染め上げます。しかし梅は満開になっても多くの場合、その枝っぷりがしっかりと解り、散り際もさっぱりとして気が付けば花の頃が終わっていることもしばしばです。私は実家の梅が長くうまく咲かなかったこともあるかもしれませんが、なぜか梅に想い入れがあり、なんだかとても気になる存在です。桜ほどの華やかさはなく少し控えめですが、すっと芯の通った咲く姿、そして仄かに香る花の香りも好きな理由の一つかもしれません。
 
 そうそう、そう言えば「梅ごよみ(梅の花が咲くのを見て春を知ること)」という言葉も最近知りました。この言葉を知った時、私も大阪城で梅を見て「もう春がそこまで来ている」と思ったものですから、まさしく私のことを言われている気がしてちょっと恥ずかしいような、でも的をえた言葉に出逢ってすっきりしたようなそんな気持ちになったのでした。日本語には美しくて素敵な言葉がまだまだありますね。

          ところで、あなたは…。
            ~ゴン~

今日は一日雨模様です。_c0185858_14055022.jpg

あなたの名前を よんでみる
今年は暖冬と聞いていたけれど…やはり冬ですね。_c0185858_14201402.jpg少し 恥ずかし気に
少し ためらいながら

その名を呼んでも
あなたは ほほ笑んでいるだけ

あなたの感触も
あなたのぬくもりも
もう 声さえも
おぼろげでしか思い出せない

あなたは確かに ここにいたのに
その痕跡も
あなたを覚えている人たちも
静かにそっと 姿を消していく

そして私も 
いつか 忘れるのだろうか

廻る季節のように
人知れず 覚えていたのだけれど。





 まずは能登半島地震の被害にあわれた方のご冥福をお祈りするとともに、一日でも早く被災された方が穏やかな気持ちで過ごせる日が来ることを願っています。

 前回の便りで少し書きましたが、今回の年末年始はなかなかせわしく、年末に奈良の実家全員が新型コロナに感染し、その看病に駆け回っておりました。そして大阪に戻る1月1日の午後。電車が駅に停車している時、電車が大きく揺れていることに気が付き、地震が発生したことを知りました。
 災害というものは、記憶が薄れかけた頃にやってくるのでしょうか。以前にもお話ししましたが、学生の頃、阪神淡路大震災を体験し、鹿児島にいる頃、熊本地震を体験しました。幸いながらどちらも被災はしておらず、ただあの経験したことのない揺れと感覚、そして言いようのない恐怖を体験しただけです。それでもあの時は「こんな思いを絶対に忘れるはずなどない」と思ったのです。でも、悲しいことに日が経つにつれ、記憶は薄れていくんですね。いま私が思い出すのはいつも同じ場面だけ。そして、あの時と同じような写真や映像を見た時だけ肩や手に力が入ってしまう、それだけなのです。

 今年は祖父の23回忌でした。早いものでもう22年も経ちました。今でもあの日のことを、あの日見た空を覚えています。奈良の平地はあまり雪が降らないのですが、珍しく雪が舞う、とてもとても寒い日でした。私は祖父の写真を一枚も持っていません。声ももうおぼろげにしか思い出せません。祖父の形見は、生前くれた書道用の水差しだけです。生前と言っても私が小学生の頃ですから、まさかそれが形見になるなんて思ってもみませんでした。でも、一つでも祖父にまつわる何かがあるのは、私にとってとても幸せなことなんです。
 昨年祖母が亡くなってから、何かと親戚が集まる機会が増えました。私たちゴン兄妹やいとこ達は社会人になってから集まる機会もあまりなく、少し疎遠になっていた時期でもありました。そう思うと祖父母たちは、そんな私たちに集まるきっかけをくれたのかもしれませんね。

 新年早々、心が痛むことが続き、気が滅入るようなニュースが日々、報道されていますが、それでも外を歩けば蝋梅や水仙が春の訪れを感じさせてくれています。そう、どんなことが起きても、きちんと季節は廻ってくるのですね。そんなことを想いながら仄かに香る蝋梅を眺めていたのでした。


         ところであなたは。
           ~ゴン~

今年は暖冬と聞いていたけれど…やはり冬ですね。_c0185858_14200960.jpg

帰ろう 帰ろう あら大変!あと少しで年が明けちゃいますね。_c0185858_14554784.jpg
あなたが待つ あの場所へ

還ろう 還ろう
本当の私に戻る その場所へ

この世界は ただそこにあるだけなのに
全ては私たちの感情が作り出した日常

なにも要らない
本当はそう なにも
ただ大切な人と温かな気持ちで過ごせること
それだけで じゅうぶん

だから 
たがら かえろう。








 気が付けばもう12月。あっという間に一年が終わろうとしていますね…。ついこの間、暑い暑い夏が終わってようやく過ごしやすくなったと思ったばかりなのに。時が流れる速度に自分の時間感覚が付いていかない今日この頃です。

 先日、テレビで「20年目の花火」という鹿児島テレビが作成したドキュメンタリーを見ました。それは今から20年前、鹿児島市内で起きた大規模な花火工場爆発事故とその後について取材されたものでした。以前この便りでも鹿児島市内で昔、大きな花火工場爆発事故があり、私が当時勤めていた会社の上司のご友人も事故で亡くなった話をしました。話は当時の上司から聞いていましたが、私が想像していた以上に大規模(死者10名)だったようです。テレビでは事故現場の生存者もおらず、また建屋は全壊していたため事故原因は特定できなかったが、たった数秒で付近にあった工場や作業場は破壊されたと言っていました。
 以前の便りでもお伝えしたのですが、当時勤めていた会社の上司は事故の数日前、亡くなったご友人から夕食の誘いを受けたようです。けれど、すでに用事が入っていたためその日は断ったそうです。そして数日後、ご友人は爆発事故で亡くなりました。その日からどんなに忙しくても、どんなに疲れていても少しの時間でもいい、できる限り人からの誘いを断らないようにしていると、その上司が話していたのを今でも覚えています。

 今年は、いえ今年もたくさんのことがありました。でも何かを選ばなければならないとき、いつも思うのです。「どうして「次」がある、と思えたのだろう…」と。人に会うこと、チャンスが巡ってくること、そのどれに対してでも「明日でいいや」とか「今度でいい」と思うことがあります。でも「必ず次がある」と思うのは、ただの甘えなのかもしれませんね。
 今もウクライナやガザ・イスラエル以外でも毎日、事件や戦闘が起きています。もちろんこの日本だって同じ。いろんな事故・事件だけじゃなく、突然の病気でもう会えなくなるかもしれません。それは大切な人に限らず、自分もです。もちろんタイミングや状況もありますが、いまのこの「自分」も、この「時間」も「状況」も一度きり。次チャンスが来ても、全く同じ状態ではありません。だから、できる事ならその巡り合えた「縁」を大切にしていきたいものですね。

 今年も一年、お付き合いいただきありがとうございました。
 どうか来年も私と私の大切な人、そして皆さんと皆さんの大切な人たちが、素敵な一年を迎えらえますように祈っています。
※今回の便りはほぼ出来ていたのですが、年末にいろいろあってこんなギリギリになってしまいました。どうぞご容赦くださいませ。
        ところで、あなたは…。
           ~ゴン~






風に吹かれて 探していたこちらでは秋晴れが続いています。_c0185858_14024980.jpg
それが なにかもわからないまま

明日のこともわからない私は
未来を 確信することなどできない
ただ 言えるのは
いま 生きているということ
そして あなたを愛しているということ

青い空は 雲を流し
太陽は 私を見つめる

あなたがいたこの世界を
私も今日 生きている。






 今月の初め、ちょっといいことがありました。
それは25年度の朝の連ドラのモデルにやなせたかしさんが選ばれたというお知らせ。やなせさんは私に想いを言葉にして発することへの興味を持つきっかけを作ってくださった方。
 私の家族は両親、兄妹みな読書家ですが、私は幼いころから文字を読むこと(音読・黙読ともに)が苦手でした。ラストが気になって仕方ないし、超が付くほど飽き性なのも原因かもしれません。そんなある日母が買ってきたのが「詩とメルヘン」という雑誌。もっぱらイラスト(挿絵)ばかり見ていたけれど、いつの間にか詩を読むようになり、短編の小説も読むようになりました。そして何より「書けないなら『書けない』と書けばいい、そうすると『書けない』という詩ができるから」というやなせさんの言葉に押されて文章を書くようになりました。それは中学生の頃でした。そして今に続きます。この便りの最後の「ところであなたは」は「詩とメルヘン」の編集前期の締めくくりに、いつもやなせさんが書いていた言葉。「私はこうだけど、あなたはどうですか?」そう言ってくれるこの言葉が好きで、この便りを始めた当初からずっとお借りしています。「詩とメルヘン」は廃刊になりましたが「詩とファンタジー」とタイトルを変えて今も季刊誌として発刊されています。やなせさんが亡くなられたのが2013年ですから、もう10年も経つのですね。

 皆さんは「セイタカアワダチソウ」ってご存じでしょうか?川の土手や空き地、道路の路側帯や小さな隙間に、にょきっと生えていて日本中の至ることころで見かける、いわゆる「雑草」と言われてしまう植物の事です。すっくとまっすぐに生えて、しかも花が枯れると茎は固くなって、小さいころ乾燥した茎でよく遊びましたが、ケガもしました。ところでそのセイタカアワダチソウの花って、見たことがありますか?
 先日立ち寄ったお店の駐輪場の片隅で咲いていたのですが、じっくり見てみると花、かわいいんです。黄色の小さな花がフワフワと集まって咲いています。外来種で繁殖力が強いですし、さほど華やかではないので、特に好んで育てる人も愛でる人も少ないと思いますが、結構かわいい花を咲かせます。しかし、道路のちょっとした隙間にも育つのを見ると、花言葉が「生命力」「元気」なのもわかる気がしますね。

 今月は私の誕生月です。早いものですね、四十路をすぎてもう数年経ちます。さすがにこの歳になると、つい自分が作り固めてしまった世界に引きこもって身を護ろうとしてしまいます。そのうえ毎年ながら誕生月は良いことと、そうでないことがたくさんやってきて私をとても混乱させます。しかし世界は広くて、幼かった頃と変わらず知らないことはまだまだあります。そう、見方を変えれば世界は変わる。なので、これまで面倒だったり気が進まなかったことにも少しずつでいいからトライしていこうと思う今日この頃です。

        ところで、あなたは…。
           ~ゴン~





あっという間に秋になりましたね。_c0185858_15332751.jpg

ふるさとを
紅く染め抜く 曼殊沙華
君の旅路も 灯したけれ

(故郷を赤く染める彼岸花
あなたの旅路も 灯して欲しい)










 9月のお彼岸の中日の深夜、大好きな大切な祖母が他界しました。
偶然にも祖父の月命日と同じ日で、祖父と同じく臨終は親族に看取られることなく、静かに眠るように亡くなりました。祖父母共に人を喜ばせることが大好きな人たちだったので、私たちが悲しむ顔を見たくなかったのかもしれません。唯一の救いは、本当に安らかで眠っているかのような顔をしていたこと。

 以前、少しお話ししましたが、叔父と同居していた祖母は、叔母(叔父の奥さん)が大病を患ってからたびたびショートステイで介護施設に入っていました。新型コロナが流行する少し前からは完全に入所する形になり、新型コロナが猛威を振るいだした2020年春以降から2023年5月の5類引き下げまでの間、叔父以外の人間が面会をすることもままならない状態でした。けれど、それは祖母に限った話ではありませんから、ある意味、祖母はガラス越しででもまた私たちに会える日を待ってくれていたのでしょう。どんな形であれ、生きている間に祖母の顔を見ることができた私は幸せ者です。

 そう、祖母は他界したのです。きちんとお通夜、お葬式、初七日まですべて行ったのです。
なのに、私はまだその実感がありません。
それは長らく会えない、会話も触れることもできない状態が続いていたからなのか、ただ現実を受け入れられないだけなのかは、わかりません。けれど、心のどこかでいつもの介護施設に行けば「ゴンちゃん、聞いて!おばあちゃんな」と言って笑顔で会える気がするのです。そう私の中では2019年12月に会った祖母のままなのです。

 大切な人を失うことに慣れていない私。それはとても幸せで恵まれていて、ありがたいことだと思っています。けれど自分の年齢を考えると、そう遠くない未来に両親や兄妹、友人たち、大切な人を失う日が必ず来るでしょう。その時、きちんと現実を受け入れ、見送ることができるのか自信はありませんが、そろそろその覚悟と準備をしなくてはならない歳になってきたのかもしれませんね。

          ところで、あなたは…。
             ~ゴン~


あっという間に秋になりましたね。_c0185858_15333214.jpg

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