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秋が深まってきましたね。

海は 全てをのみ込み
秋が深まってきましたね。_c0185858_2544865.jpg海は 全てを隠す

けれど
海は 全てを守り
海は 全てを生み出す

この深い群青の
誰も知らない その中で

何かが命を 失い
何かが命を 宿し
何かが命を 育む

この海の青には
全ての命が 揺蕩っている。







 先日、ずっと見たかった「風立ちぬ」と「永遠の0」を見ました。
昔から、長編小説が苦手な私。その手の中に話の全てが完結しているのなら、一気に読んでしまいたくなるのです。時間的に無理をしてでも、です。そんなこんなで、豪華映画2本立て。一緒に見ようと選んだ内容が良くなかったのかしら。戦闘機0戦を作った方と0戦に命を載せていた方のお話。どちらも素晴らしい作品ですが、なんだかとても、複雑な気持ちになりました。

 私は、海ナシ県出身です。皆がそうではないけれど、私は海に対するあこがれが強いんです。けれど、それと同時に「畏れ(おそれ)」も持ち合わせています。身近になかったからでしょうか。幼い頃、鳥羽へ海水浴に何度か連れて行って貰ったのですが、波に飲まれて上下が分からなくなり水を飲んだとか、足がつかなくて怖かったとか、実はあまりいい思い出がありません。だから今も、せっかく海の見える街に住んでいるのに、眺めるばかり。海水浴はもう小学生以来していません。けれど、好きなんです。深く遠く広がる海や、その向こうにかすかに見える対岸の街や山々。この空が一つしかないように、この海も一つしかありません。そして、空と同じように果てない。なかなか言い表せないけれど、モヤモヤが溶けてなくなってくれることもしばしば、です。

 海を見ていて思うことがあります。波は一定のリズムを刻み、まるで穏やかな顔して流れているけれど、その中にはたくさんのものを覆い隠しているんだと。魚も貝もサンゴもどこかの船やゴミも、土砂や桜島の灰も。そして誰かの骨も。
 海は、生命の誕生の場所と言われています。その海は、またたくさんの命を奪います。それはまるで、世界各地の死と命の再生を司る神々のように、ひとつで反する二つの顔を持っているんですね。
 戦闘機や艦船の多くは、今もなお海中に沈んでいると聞きます。この海のどこかに誰かが眠り、そしてその命を得て、生まれた命もあるのでしょうね。 

 穏やかに凪る錦江湾を眺めながら、昔見た尾鷲や奄美の海、鳥羽や鳥取の海。少ないながらも行った各地の海を思い出しながら、海にも土地柄が出るんだわ、と感心していました。そして、どの海にも眠るであろうたくさんの命と歴史に、想いを馳せたりしていたのでした。



            ところで、あなたは…。
              ~ゴン~
by kawagonta_y | 2014-11-24 03:08 | いろいろ便り | Comments(0)