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ちょっと寄り道。編集記④

 今回はちょっと寄り道。編集記。随分と久しぶりで、4年ぶりですネ。ちょっと長いのですが、お付き合いいただければと思います。

 ところで私は花粉症です。それはもう小学生のころからでした。そして現在は、花粉症と併発する食物アレルギー(口腔アレルギー症候群《OAS》)もあります。OASが発症したのはまだ短大生だったころ。そのころはまだ食物アレルギーといえば卵や小麦、乳製品くらいしか多くは知れ渡っていない頃でした。 
 ある日リンゴを食べた私は、心なしか口内にかゆみを覚えたのでした。一時的なものだと思っていたのですが、その後、何度食べてもかゆくなる、それが始まりでした。今では、バラ科の果物(桃、サクランボ、梨、枇杷等)は生だと食せません。加熱すれば大丈夫なものもありますが、体調にも左右されるので食べません。そして去年、ついに苺デビューし、苺も食せなくなりました。ショートケーキが…食べれない…。

 先日、大葉(青しそ)が夏前だというのに珍しくお手頃価格で販売されていました。嬉しくなって、大量買い。意気揚々と料理しているときでした。味見をした後の口内が、いつまでたってもムズムズするのです。けれど、シソアレルギーなんて聞いたことがない。きっと気のせいだと思いながらも、不安でそれ以上その日は口にしませんでした。翌日、焼けばいいかもと火を通して食すると若干、違和感があるものの昨日ほどでもない。けれどやっぱり、不安が残る。数日後、かかりつけの内科の先生に伺うと「あ、アレルギーですね。」と一言。シソそのものか、シソの産毛が原因かはわかりません。血液検査をしたわけじゃないから確定じゃないけれど、反応している限り食べないで下さい、と言われたのでした。そのまま食べ続けると、全く関係のない食材にも反応が出る可能性も、これから先あるから、と。 
 私はスギ・ヒノキ・シラカバ以外にもイネ科の花粉アレルギーを持っています。5月6月は最盛期。体調が芳しくないところに、シソを食べて反応したのかもしれませんね。

 実は今、何かを食べるという事に、若干の恐怖を覚えます。私のアレルギーは小麦や卵、ソバやピーナッツほど激しいアナフィラキシーはおそらく出ません。ですので、ショックで死に至るとまではいかないでしょう。それでも、次に何に反応し、食せなくなるのか予想がつかないだけに、正直怖いのです。何かを作って食することが楽しみでストレス発散の私にとって、それは尚更でした。 
 シラカバ科のOASの食材は多いのです。それに、イネ科のOASが加われば、ほとんどの野菜、果物、穀類が食べられなくなる可能性があります。現在、アレルギーの治療法として、舌下療法が注目されていますが、OASの症状によっては受けられない可能性があります。その他ではまだ、完治できる治療法が民間レベルでは確立されていません。こんなにも世界中にアレルギーを持っている人がいるのに、です。

 でもね、ある日思ったんです。こんなふうに悲観的になっていても、しょうがない。なったものは変えられへん。いつ、何になるかも分からへん。予防もでけへんのやから、諦めよ。それよか、自分の体調と相談しながら、食べたらあかん食材は食べないで、美味しいと思うものは今のうちに、食べておこ!って。だって、シソみたいにいつ食べられなくなるかわかりませんからね。ちなみに、苺デビューしたのは奈良の苺農家の友人が送ってくれた、奈良特産の「あすかルビー」。人生最後の苺は、人生で一番美味しい苺でした。シソも食べたいと思っていたシソ版バジルソースならぬ、シソソースでした。私は美味しい食材たちの記憶があるので、もちろん食べたいと思うこともありますが、もう十分。

 どうせいつか人は死ぬのです。それはなげやりで悲観的な考えではなく、もう少し楽観的なこと。どんなに健康に気を使っていても、明日事故で死ぬかもしれないし、大病を患っていても、それとともに長く生きられる方もいる。ならば、もっと心をオープンでいようと思ったのです。もしかしたら、数年後、舌下療法がどんな症状の人にも対応できるようになるかもしれないし、もっと画期的な治療法が見つかるかもしれない。だって先日、アトピーに効く物質が見つかったとニュースにも出てましたしね。そうそう、それにいまだ私のまわりで「私もリンゴ・桃アレルギーです。」という人に出逢ったことないし、もしほんとに私がシソに反応していたなら「シソアレルギー」なんてマニアックでしょ?これは、ちょっとした話のタネになりますネ。ま、だからと言って、なんでもありで何してもいいとは思いませんが。

 人生は、山あり谷あり、それが谷だと思っていたら実は中腹ってこともあります。そのひとつひとつを、しっかりと考えることはとても大切だと思います。けれど、考えて答えが良い方向に出ないとき、もしかしたら入口が間違っているのかもしれません。出来ないことを数えるより、出来ることを大切にしよう、そう思うのです。今までもそうしてきたし、これからもそうするでしょう。だってせっかく生きているのだから、いつも心はしなやかで軽快でいたいですものネ。
はてさて今年の夏は、そうめんに何のせようかなぁ…。


          ~ゴン~

 追伸 ちなみに大量のシソたちは、無事、友人たちの家へ貰われていきました。



by kawagonta_y | 2017-06-18 17:25 | ちょっと寄り道。編集記 | Comments(0)